平間 一也に聞く住宅用太陽光発電の現在|株式会社ECODA(エコダ)が自家消費に注目する理由
住宅用太陽光発電を取り巻く環境は、この10年ほどで変化しました。かつては発電した電気を売ることが導入の動機になっていましたが、現在は家庭内で使うことに関心が集まっています。
電気を売って利益を得る設備から、毎月購入する電気を減らす設備へ。こうした目的の変化を、太陽光発電の販売・施工に携わる事業者はどのように捉えているのでしょうか。
今回は、戸建て向けの太陽光発電システムと家庭用蓄電池を扱う株式会社ECODA(エコダ)の代表取締役・平間 一也さんに、住宅用太陽光発電の現在地と自家消費について聞きました。
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平間 一也さんのプロフィール (株式会社ECODA 代表取締役 …
――現在の住宅用太陽光発電は、何のために設置する設備なのでしょうか
平間 一也:以前は、発電した電気を売って収入を得ることが大きな目的でした。売電条件が現在とは異なっていたため、屋根を収益に活用するという考え方が成り立っていた時代です。
しかし、今から住宅用太陽光発電を導入する場合、売電で大きな利益を得ることを第一の目的にする方は多くありません。電力会社から買う電気の量を抑えるために、自宅で使う分を自宅でつくるという考え方が中心です。
毎月の電気代は、何か新しい価値を得るための出費ではなく、生活を続けるために必要な支出です。太陽光発電は、その支出の一部を家庭内の発電へ置き換えるための設備だと捉えています。
――太陽光発電は儲からないという意見について、どう考えますか
平間 一也:売電によって大きく儲けるものかと聞かれれば、現在はそうではないと答えます。ただし、儲からないことと、導入する意味がないことは同じではありません。
太陽光発電を投資商品としてだけ見ると、売電価格の低下は魅力の減少に見えます。一方、暮らしの設備として考える場合には、別の見方ができます。
電気を買う価格が高くなれば、自宅でつくった電気を自分で使う価値は相対的に高まります。収入を増やすというより、将来にわたって外へ支払う金額を抑えるための選択です。
売電価格だけを見て現在の太陽光発電を評価すると、導入する人が何を求めているのかを捉えにくくなります。売るための電気ではなく、買わずに済ませるための電気へと、役割が変化しています。
――設置すれば、どの家庭でも電気代を抑えられますか
平間 一也:すべての家庭に同じ結果が出るわけではありません。屋根の広さや形、日当たり、電気の使用量などによって変わります。
もともとの電気代が非常に少ない家庭では、設備を導入しても削減できる金額が限られます。反対に、ある程度の電力を日常的に使い、十分な発電が見込める屋根がある家庭では、自家消費との相性が良くなります。
株式会社ECODA(エコダ)が事前の確認を重視するのは、この違いがあるためです。太陽光発電が一般的に良いかどうかではなく、その住宅にとって合理的かを確かめなければなりません。
導入することを先に決めるのではなく、電気代と住宅条件を照らし合わせる。その順番が重要です。
――家庭用蓄電池は、太陽光発電と一緒に設置したほうがよいのでしょうか
平間 一也:現在の自家消費を中心とした使い方では、家庭用蓄電池を組み合わせる意味は大きいと考えています。
太陽光パネルが発電するのは主に昼間です。しかし、共働きなどで日中の電力使用が少ない家庭もあります。蓄電池がなければ、使い切れなかった電気は売電に回ります。蓄電池があれば、その電気をためて、帰宅後や夜間に利用できます。
ただし、蓄電池についても全員に同じ容量が必要なわけではありません。単身世帯など、毎月の電気使用量が少ない場合には、まず太陽光発電だけを検討する考え方もあります。
設備を多く付ければ良いのではなく、家庭内で使い切れる規模を考えることが大切です。株式会社ECODA(エコダ)では、生活の時間帯も確認しながら組み合わせを検討しています。
――太陽光パネルは、10年ほどで使えなくなるのでしょうか
平間 一也:太陽光パネルを10年から20年で交換しなければならない、あるいは10年ほどで発電量が半分になると思っている方もいます。しかし、パネルはそのような短い期間で一律に役目を終える設備ではありません。
太陽光発電システムを考える際には、パネルだけでなく、電気を家庭で使える形に変えるパワーコンディショナーなど、機器ごとの役割を分けて見る必要があります。交換時期や保証も同じではありません。
戸建て住宅では、パネルの洗浄を頻繁に行うことが前提ではなくなっています。発電状況もアプリなどで確認できる製品が増え、設備の状態を把握しやすくなりました。
製品を選ぶときには販売価格だけでなく、発電性能の変化や保証内容まで確認することが重要です。
――停電への備えとしては、どのような価値がありますか
平間 一也:自家消費というと電気代の話が中心になりますが、家庭内に電源を持つことには防災面の意味もあります。
太陽光発電だけの場合、発電できる時間帯や使用方法に制限があります。家庭用蓄電池と組み合わせることで、ためた電気を必要なときに使えるようになります。
停電時に普段とまったく同じ生活ができるとは限りませんが、照明や通信機器などに電気を使えるだけでも安心感は変わります。どの機器を動かしたいかによって必要な容量や設備構成も変わるため、目的を決めておくことが大切です。
今後、電気自動車がさらに普及すれば、V2Hを通じて車に蓄えた電気を住宅で利用する選択肢も広がると考えています。家庭が電気をつくり、ためて、必要な場所で使う流れは、より身近になっていくでしょう。
――平間 一也さんが考える、これからの住宅用太陽光発電とは
平間 一也:太陽光発電は、一部の富裕層だけが導入する特別な商品ではなく、住宅を支える設備の一つになっていくと見ています。特に新築戸建てでは、将来的に設置の有無を毎回検討するのではなく、初めから備わっているケースが増えていくと思います。
ガスや水を各家庭で生み出すことは簡単ではありませんが、電気には自宅でつくれるという特徴があります。すべてを自給することが難しくても、外部から買う量を減らし、災害時に使える電力を確保することは可能です。
株式会社ECODA(エコダ)が目指しているのは、太陽光発電や家庭用蓄電池を無理に広めることではありません。住宅の条件を確認し、メリットが見込める家庭へ、適正な商品を適正な価格で届けることです。
私、平間 一也は、売電による利益だけでは測れない太陽光発電の役割を伝えていきたいと考えています。家から出ていく電気代を抑え、必要な電気の一部を自宅でまかなう。その現実的な選択肢として、太陽光発電と家庭用蓄電池をより身近なものにしていきます。



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